自治体職員必読!地方創生時代のための IT を活用した情報発信ガイド

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現在、茨城県の広報監をされている取出新吾さんが書かれた、ITを使った情報発信に関する本です。

私はこの本を茨城県内の市町村の全職員、少なくとも私の地元常総市の全職員の方には読んでいただきと思ってます。といいますのは、昨年2015年9月に水害があった常総市では、これから「情報発信改革」をやることになっているのですが(復興計画/まちひとしごと創生)、ここに書かれた内容を「共通認識」としてみんなが共有できているかいないかで、スタートラインがかなり変わってくると思うんですね。

情報発信に関する職員研修などをするときに、すでにこの本の内容が頭に入った前提で始められたら理想的です。また、今の役所のホームページはCMSで各部署がそれぞれ情報発信しているので、広報や情報政策でない部署の職員の方にも基礎知識としてわかっていてほしい内容です。

この本のおすすめポイント

  1. 自治体職員向けの情報発信ガイドは希少。しかも、この本は現役最前線の広報監が実践経験に基づいて書いています。
  2. ポイントがまとめられており、ページ数も多くなく、すぐ読めます。1時間ぐらいでしょうか。
  3. 印税は常総市の復興支援をされている茨城NPOセンター・コモンズに寄付されます。市民としてはとてもありがたいです。
  4. イバラッパーのエピソードも登場!個人的なおすすめポイントで恐縮です(笑)。

作者ご本人による解説初めて本を出版します ~地方創生時代のための IT を活用した情報発信ガイド~

本の購入方法

アマゾンで販売しています。スマホやタブレットがある人はKindle版なら864円です。無料のアプリを入れれば、Kindle端末がなくてもOKですよ。紙の本も1296円であります。ただし、書店では販売しておらず、ネットで注文があると印刷になる形です。

※他のネット書店でも購入できるようになったようです。詳しくはこちら

(個人的に)役所の情報発信で変えてほしい2つのポイント

さいごに、蛇足になるのを承知で、情報発信において私が変えたほうがいいと思っている「根本的な考え方」2つと情報発信に関する人材育成について少し考えを述べさせていただきます。

1.発信しただけではダメ→どう伝わったかが重要

常総市に限らず、役所の情報発信において改善すべきところはたくさんありますが、一番変えないといけないのは、情報を伝えたい人にきちんと伝えるということです。取出さんは、「伝えて→行動してもらう」というところまで踏み込んでいますが、自治体の情報発信で実際にそこまでコミットしていると感じられるケースは稀かと思います。

そもそも発信すらしていない情報も実は結構多いのですが、それはひとまず置いといて、発信するだけじゃなくて、その発信した情報を「きちんと受け手に伝える」 というところまでを一つの仕事にすべきなんです。極端な話、今は発信すればそれでOKですから。どれだけ伝わったかまで気にしてないし、市役所内で誰もそのことに責任を取っていません。

伝わったかどうかまで考えなくていいということは、何をどう使って伝えるか、どういう文章にしたら伝わるか、工夫する必 要性が生まれないということです。ほんとは大いに工夫の余地があるし、伝え方を変えれば、もちろん伝わり方も変わって、市民サービスの向上につながります。

2.ネット(ホームページ・SNS)は広報誌と同等かそれ以上という意識で

もう一つだけ言わせてください。情報発信において、IT(ネット)の地位が低すぎるんです。役所の意識としては、花形はあくまで広報誌なんですよね。なので、必要な人員がネットに割かれていなかったり、ネットを使った発信がおろそかになっていることが多いです。特に上のほうの役職(課長や部長)になるほどネットに弱い人が多いので、ネットの情報発信に関してどうするのがよいか、自信をもって判断を下せる人はかなり少ないと思います。また、役所の職員という都合上、SNSなどを積極利用しにくいため、ネット上の暗黙のルールやノウハウをわかっている人が一般に比べて少ない気がします。

結局、若手職員が1人だけでホームページ担当をやっているなんていうケースも出てきます。もちろんやり方を教えるだけなら若手職員1人でできるかもしれませんが、組織としての「戦略的な活用」とかそういうレベルのことは無理ですよね。

役所の職員は行政のプロである→情報発信のプロも育成しましょう!

茨城県広報監の取出さんは民間(インテル)出身ですが、現在、茨城県内の自治体では情報発信のプロといえるレベルの職員が非常に少ないです。または詳しい人材がいても活用しきれていません。

茨城県、守谷市、潮来市などのように情報発信に関わる人材を民間から登用するケースは着実に増えていますし、もう一つの方向性として、市民の力を積極活用するのもアリかと思います。情報発信というのは、実は市民協働がやりやすい分野だと思うんですよね。特にSNSなどは、市民を巻き込み、役所と市民が一体になることで拡散力が飛躍的にアップする可能性があります。

最初は民間や市民の力を取り入れながら、最終的には役所内でも情報発信のプロとよべる人材を育成し、市民に必要な情報を的確に届け、広くまちをPRできる・・・地方創生時代に求められているのはそんな自治体ではないでしょうか。

がんばっぺ!常総市

水害で情報発信の重要性を痛切に感じた常総市。人口も減り、復興も道半ば。このピンチをチャンスに変えたいですね。

私も一市民として「批判ではなく提案」で、「口だけではなく行動」で応援していきたいと思います。

最後に、今回の本にも取り上げられているイバラッパー「常総魂」の動画でお別れです。がんばっぺ!