つくばみらい市の地方創生について

↓成長力ランキング:つくばみらい市が日本一
seityou

先日常総市の地方創生についての記事を書きましたが、水害の関係で大幅に内容が変わるかと思います。常総市の「まち・ひと・しごと創生プロジェクト」も現在休止中ですので、また何か動きがありましたらお伝えしたいと思います。

さて、今回は上にランキングを挙げた成長力日本一の「つくばみらい市」についてです。つくばみらい市では有識者会議のメンバーになっておりまして、一度フェイスブックのほうには「定住促進」についての記事を書いたのですが、今回、市民アンケートの自由意見の資料をいただいたのでそ、その内容を踏まえて、自分なりの方向性を考えてみたいと思います。

アンケートの意見をまとめると…

まず、アンケートの自由意見で多かったものや気になったものをリストアップしてみます。
基本的に不満な点や市への要望が中心なので、そういう内容になってしまうのは仕方ないと思ってください。

  1. 交通が不便: 道路が狭い、公共交通(特にバス)が不便
  2. 何もない: 商業施設、働く場、イベント、PRできる・誇れるもの…がない
  3. 市内格差がある: みらい平にばかりお金をかけすぎ

単純に考えると、これらの3つが解決されれば市民の満足度が上がり、つくばみらい市に住み続けてくれる人も増えるはずです。ただ、そう簡単に解決できるものならば、すでに解決、または解決の方向に向かっているはずで、そもそも不満や要望としてこれほどたくさん挙がってこないともいえます。ということは、すぐに全部解決するのは無理なわけで、よって、優先順位を付けたり、(一時的に)あきらめることも必要かと思います。ただ、画期的なアイデアや工夫、または地道な取り組みによって、お金や時間を思っていたよりかけずにできたり、問題がすぐに解決されなくても市民の不満自体は解消されたりする可能性というのはあるはずです。そのへんも含めて思考を巡らせてみます。

大前提:つくばみらい市は分散型社会

では何を優先して何をあきらめるか…ですが、これは世代や地域、立場によっていろいろ変わってきます。

私がつくばみらい市全体のまちづくりを考える上で共通認識として持っていなければならないと思うのは、「つくばみらい市は分散型社会」であるという点です。これは市町村としてはかなり「特殊」だと思います。

例えば、となりの常総市でいえば、まちの中心部は水海道と石下になるわけで、商業施設や市の施設はこの2箇所にだいたい集中しています。坂東市だったら岩井と沓掛です。合併前の市町村ごとに中心地が1か所ずつですね。つくばみらい市の場合はこの中心となる場所が決まっていないというか、ありません。旧伊奈町でいえば谷井田が中心だけど、板橋もそれなりに…、旧谷和原村でいうと行政の中心は谷原だけど、発展具合では小絹…といった具合に、合併前の時点で強力な中心地を持っていなかったため、合併後も庁舎が2庁舎体制で中心となる場所は定まっていない状況です。ただ、TX開通により「みらい平」という中心となりえる場所はできました。ただ、元々この場所は両町村の境目でどちらかというと町はずれだったため、将来的には中心となり得ても現時点ではそこまでいっていないという状況です。

特性ごとに3分類してみる

また、分散している地域ごとの特性も微妙に異なります。大きく分けると3つになります。

一つ目は、昔から住んでいる人が多い地域です。元々は農業をやっていた人が多い田園地帯で、具体的には谷原、福岡、十和、小張、豊、三島、東です。

2つ目は、昭和の時代に来られた方が一定数住んでいる地域で、谷井田、板橋、小絹です。谷井田、板橋と小絹は新住民の方の割合や鉄道の有無で本来分けるべきかもしれませんが、ここでは一緒にしておきます。

最後の3つ目は、みらい平です。TX開業後に人が移り住んできた地域ですね。

このように大きく分けて3つの地域特性があって、その地域によって優先度が変わってきたりするので、そこにつくばみらい市特有の難しさがあります。もちろん常総市だって、街中と周辺部、または水海道と石下で変わってくるものもあるわけですが、つくばみらい市ほど分散していないぶん複雑ではありません。

また、実際は年代によっても違ってきますが、話が複雑になるので、ここでは詳しく触れません。

問題について考える

ではこの共通認識の上に立って、さきほどの問題点の解決を順番に考えてみたいと思います。

1.交通が不便

まず「交通が不便」について。アンケートの中でも特にバスが不便という意見がかなり多くありました。つまり、車がないとどこにも行けないということです。ただ、これは分散型社会のつくばみらい市では解決は非常に難しいように思います。というか、この問題を解決している自治体があったら教えてほしいです。もちろん人口の多い都会は別ですよ。みらい平や小絹などに都会から移り住んで来られた方にとって公共交通は当たり前かもしれませんが、茨城で充実しているところはまずありません。もっと人口が密集していないとダメなんです。バスをちゃんと走らせるならもっともっとみらい平や小絹に集中して住んでもらって、その圏内でなんでも完結できるまちづくりにしないと無理だと思います。なので、そのやり方はまったく現実的ではありません。高齢者が増えて車に乗れない人があちこちに溢れるようになったら、コミュニティバスも本数やルートを充実させられるかもしれませんが、今の利用者数だと無理です。今、過疎地で観光客の交通手段として「自家用車でのライドシェア」の規制緩和の動きがありますが、そういったこれまでになかった手段が出てこないと根本解決は難しいと思います。他に考えられるのは、逆にわざわざバスに乗って買い物や病院に行かなくてもよくなる代替えサービスの提供という方向性でしょうか。

もう一つ、交通が不便という中で「道路が狭い」という意見も目立ちました。道幅が狭かったり、歩道がなかったりという問題です。つくばみらい市は元々道路が狭くて、それは主要国道294号線が小絹に通っていて、車の流れがそちら中心のため、市内の道路はあくまで市民が中心の短距離の移動が多く、それほど混雑しないというのが一つ理由としてあるかと思います。ただそうはいっても車移動が中心のつくばみらい市ですし、また、どのエリアの人にも望まれていることですので、道路は優先順位を高くすべきかと思います。もちろん県道だから市じゃなくて県がやることとか、そういうのはあると思いますが、そのへんの割り振りはいちいち分けて考えませんのであしからず。

でも実際、道路は少しずつよくなっていると感じました。一番画期的だったのは「豊体バイパス」の開通ですよね。これ地元の人じゃないとわからないと思いますが、ここはクランク交差点で慢性的な渋滞箇所だったんですよね。これは市民にとって悲願だっと思いますよ。

あとはTX沿いにみらい平から守谷へ抜ける「都市軸道路」の開通もありましたね。つくば方面も開通するとさらに便利になるはずです。

2.何もない

では次に「何もない」問題を考えてみたいと思います。「何もない」でまとめていますが、これはジャンルがバラバラなので分けて考える必要がありますね。

①商業施設

まず商業施設は商業ですから儲からないと来ないと思います。儲かるためには人が集まらないといけません。では人を集められるかというと、現時点の人口規模や分散具合からいうと難しいと思います。また、つくばみらい市はつくば市と守谷市という商業が発展していて大型店がある地域に挟まれており、これに勝つのは至難の業です。小絹は294号がとおっていて現時点でもケーズデンキなどが出店していますが、それ以外の地域はちょっと難しいと思います。そもそも小絹に住んでいる人なら市内に商業施設を!とは考えないというか、守谷もすぐなので不足している感覚はあまりないはずです。

なので、ここでは小絹を除いたつくばみらい市で考えてみたいと思います。前述のように大型の商業施設は人口規模やつくば・守谷の存在があるので無理ですから、中規模~小規模のお店が出店してくれるといいですね。

でもお店ってどうやったらできてくれるんでしょうか?単純に考えると、儲かる場所なら出店が増えると思いますので、人口を増やして人を集積させればお店もそこにできると思います。となれば、おのずと「みらい平」が中心になるでしょうか。

あとはやっぱり地元の人が自らお店を出して繁盛させることだと思うんですよね。地元で採れた野菜を使った、TXのイメージに合うオーガニックなレストランとか、あったらいいですよねぇ。ただのお店じゃなくて定期的にイベントをやったり、市民の交流の場になるようなお店が理想的ですね。…妄想は膨らみます(笑)

みらい平には今でもバンバン家が建ってるので、長期的なスパンで見たら中小規模の商業施設は自然とできてくるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。

あとは、まだ空地もあるので、いわゆる「マルシェ」や「フリマ」的なイベントを定期的に開催するのはどうでしょうね?商業施設がないのを補うという意味でも、地元産野菜の市場としても、また、市民の交流の場としても、このような定期市は方向性的に面白いと思いますよ。お金もかかりませんし。つくばや常磐線沿線の地域では、市民有志のイベントとして結構さかんに行われているイメージがあります。つくばみらい市のイメージにもぴったりですよね。

こういうのは場所やお金よりも「」が大事なのかもしれませんね。まちづくりを担うキーパーソーンを探し出してサポートし、「場」だけでなく「人」を育てていくこともこれからの役所は求められていくんじゃないかと思います。

②働く場

たしかに職場は近いほうがいいですが、つくばみらい市は都心への通勤圏というアドバンテージがあるわけですから、働く場所よりも住む場所として魅力を高めていく方向性もありだと思います。

なお、企業も進出してきており、有名なのはアシックスの関連会社ですよね。市役所のポロシャツもアシックス製ですもんね。

また、つい最近では井関農機がに新施設「夢ある農業総合研究所」を開設したばかりですね。市内には同じ農機具のクボタもありますね。

あとは道路と一緒で、そういうのを市民にPRして、つくばみらい市民にとっての基礎知識として共有できるようにする工夫が大切なんじゃないかと思います。

③イベント

イベントが少ないという意見も結構ありました。でもこれも情報が共有されていないという問題の方が大きい気がします。

福岡堰のさくらまつりや伝統芸能「綱火」など、特色のあるイベントがありますし、市民発の小さなイベントも知られていないだけで結構ありますからね。

イベントは乱発するのではなく、今あるイベントを市民を巻き込んで大切に育てていくという意識のほうが重要だと感じました。

新しい取り組みやこれまでの取り組みにプラスしていくものとしては、①で挙げたマルシェ的なものがよいかもしれません。

④PRできるもの・誇れるもの

会議でも話が出ましたが、「つくばみらい市といえばこれ!」というシンボル的なものがまだないんですね。これはゼロから作りだすというよりも、今あるつくばみらい市のものをモチーフにしたり、アレンジを加え、また、PRを工夫するなどして作っていけるとよいですね。

誇れるものはあると思うんです。間宮林蔵だって教科書に載っていますし、福岡堰の桜も素晴らしいです。子どもの頃から地元に興味・関心を持ってもらい、郷土を誇れるようになってもらえるような取り組みが必要だと思います。

つくばみらい市は他の市と比べると今人口が増えている分アドバンテージがあります。ただ、新しく入ってきた人たちの子がつくばみらい市に残ってくれるかというと、これは先祖代々地元にいる人たちと比べると確率は低いと思うんです。つまり、新しい人も入ってくるけど出ていく人も多いまちになる可能性があるということですね。人口の流出を防ぐという意味でも、このPRできるもの、誇れるものを作ることに力を割いていくべきだと思います。これに関してはすぐに作れるものではありませんから、継続的に続けていかないといけませんね。

3.市内格差

最後の「市内格差」についてです。これはみらい平以外の地域の人からの意見で、みらい平にばかりお金をかけないで均衡に発展させてほしいというものですね。たしかに市民として同じ税金を払っているのに、自分の住んでいない地域にばかりお金がかけられるのはいい気がしませんね。ただ、誰にとっても満足のいく施策というのはそうそうありません。また、予算の上限は決まっているわけですから、何にどのぐらい使うかというのは政治判断といいますか、その権限を持っている人に最終的にはゆだねるしかありません。

だからこそ、市民の方に納得していただくための材料=全体の「設計図」的なものをわかりやすく提示することが大切なんだと思います。どうしても役所の文書は曖昧で抽象的な表現が多くなりがちですが、なるべく具体的に、わかりやすいかたちで提示するプレゼンテーション能力と、より多くの市民に情報を伝える情報発信力が今後はより求められていくのではないでしょうか。

なお、みらい平ばかりが発展するのはたしかに不公平感がありますが、そのあたりの判断にはつくばみらい市全体を俯瞰して総合的に考える視点が必要不可欠なので、違うエリア同士をただ部分的に取り上げて比較するのはナンセンスです。例えば、みらい平に商業が集積することで、周りの田園地帯の景観が保たれるなど、市内の各地域は密接に結びついていますから、市民の側でも全体のバランスの中でとらえるという意識が大切だと思います。

最後に…

最後に全体的な方向性をまとめようと思いましたが、ここで息切れしました(苦笑)。

アンケートで寄せられた問題の解決にあたっての優先度については、これまでの記事で理解していただけたかと思います。あとは、もっと具体的なアイデアを出せたらと思いますが、これはまたの機会に・・・。

最後まで読んでいただきありがとうございました。

よかったら、つくばみらいの動画もお楽しみください。


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