リアル茨城、昭和の茨城を記録した奇跡の映画…『さらば愛しき大地』

目を背けてはならない!昭和の茨城を体感せよ!

こ、これはちょっと・・・強烈過ぎますかね。当時を知る茨城県民にとっては・・・

映像から伝わってくるのは圧倒的な「リアル茨城」感!

それは「今の茨城」ではなく、「昭和の茨城」。

それも、古き良き茨城ではなく、ガチでヤバいほうの茨城です。

・・・いうなれば、ダークサイド・オブ・茨城

できるなら見たくない、目を背けたくなる、でもちゃんと見ておくべき、そんな茨城が詰まっている映画。

基本的にさわやかな感動とか、心地よさとかはありません。

とはいえ、田んぼや山など茨城の風景の美しさがとても印象的ですし、茨城県民的には「あるある」ネタが満載で非常に興味深いです。

茨城弁だってかなりリアルですから!しかも、ほとんどの人がセリフを茨城弁でしゃべっていて、資料的な価値としては最高級の部類です。

でも・・・主人公の人生がこの上なく救われないというか、家族崩壊、人生崩壊です。ダメ人間の境地に達しています。破滅の人生ですね。見ているとどうしようもなく絶望します。憂鬱になります。

冷静に見ると、主人公の周りの人たちは当時とすれば普通というか、それが当たり前というか、それなりに生きていると思うんですよね。でも主人公の物語を中心に見ると、なんだか茨城全体がどんよりと暗く見えてしまう錯覚といいますか、まあそれが茨城の「暗部」といえばそうなのでしょうね。

そういったことも含めて、これは後世に残しておきたい、残さなければならない映画だと思います。

全茨城県民必見!!といいたいところですが、若い方や女性は軽いトラウマになる可能性がなきにしもあらず。まあ、三日うなされる覚悟があれば大丈夫でしょう。

以下、ネタバレを含みますが、人によってはネタバレがないとキツイです。何も知らずに見て、痛い目に遭っても責任は負えません。いろんなレビューを見て予習してから見るくらいでちょうどいいかもしれませんし、私は予習しておいてよかったです(笑)。それでも、数日は気が重かったですが…

『さらば愛しき大地』

潮来市出身の巨匠、柳町光男監督の代表作。1982年の公開で、この年の映画賞を総なめに。

  1. 舞台は茨城県の鹿島地方。首都圏近郊「最後の未開の地」といわれ、陸の孤島だった農村にコンビナートができる。
  2. 鹿島開発によって変わっていく農村地帯で、農家の山沢家の長男「幸雄」(主人公:根津甚八)は農業を継がずに、砂を運ぶダンプの運転手をしている。農業は妻の文江(山口美也子)と父母に任せている。ただし、母親は足が悪くて、実質、妻と父親が農業をしている。
  3. 子どもは男の子が2人いて、主人公はかわいがっていた(=冒頭のシーン)のだが、この2人が沼でボートから転落して溺死。
  4. ここから主人公はどんどん狂っていく。夫婦仲も冷め、愛人(秋吉久美子)ができ、クスリにも手を出して…破滅への道をひた走る

…とまあこんな感じのストーリーなのですが、あまりストーリーばかり語ると確実に憂鬱な気持ちになりますので(笑)、ここから茨城県民的に必見のシーンや映画に登場する茨城弁を紹介していきます。

取り上げるのは、映画の中で大事なポイントではなく、あくまで茨城県民的に大事なポイントです。映画の予習および復習を兼ねて、ポイントをしっかり学んでいただきたいと思います。

茨城県民のための「さらば愛しき大地」用語辞典(約50%)

 夜のコンビナート

スタートは鹿島臨海工業地帯の夜景ですね。音楽の効果もあって、不気味な感じに浮かび上がっています。この後にたびたび登場する田んぼの稲穂や森の木々の美しさとのギャップがなんともいえません。

きれーな納豆ば つん出した

本編最初のシーンは主人公:幸雄の自宅です。当時の平均的な茨城の農家の家って感じですね。

夕食で自分の嫌いな納豆が出たことに怒って、家の中をメチャクチャにしてしまい、柱に縛られた幸雄。騒ぎを抑えるために親戚(おじ&おば?)が駆けつけてます(笑)。幸雄は納豆を出したのは、東京に出た弟:明彦にいいものはみんな送ってしまったからだといいます。俺は家のために頑張ってきたのに、家を捨てた明彦を可愛がっているとの「ひがみ」です。この主人公はよく「ひがみ」ます。被害者妄想がすごくて、破滅していく一番の原因になっています。

この中で母親が 「晩のおかずに、きれーな納豆ば、つん出したって暴れだしてな」と言うのですが、これは茨城県民でないと意味がわからないと思います。

「きれーな納豆」は×綺麗な納豆ではなく、○嫌いな納豆ですね。

鹿行地区でよく使われる「~ば」は「~を」という意味ですね。この後も「~ば」は頻出するので、このエリアでは基本的な言い回しなんでしょうね。私の住む県西では聞かない言い回しです。

  • 茨城弁: きれーな納豆ば つん出した
  • 標準語: 嫌いな納豆を 出した

ごじゃっぺだー

開始4分半で出ました、ごじゃっぺ!(笑)

親戚のおじさんが幸雄の言動に呆れて「ごじゃっぺだー」と言い放ちます。

  • 茨城弁: ごじゃっぺだー
  • 標準語: バカだねぇ

ご先祖様の遺影

柱に縛り付けられた幸雄が暴れると、上からご先祖様の遺影が2枚落ちてきます。昔の茨城の家には必ずご先祖様の遺影が飾ってありましたよね。だいたい仏壇のある部屋にあるのですが、夜はなんか恐いんですよねぇ。

けえっぺ

親戚が帰るときに「話になんねえ。けえっぺ」と言って帰ります。

  • 茨城弁: けえっぺ
  • 標準語: 帰ろう

ダンプ

主人公の幸雄はダンプの運転手で、砂を運ぶ仕事をしています。すでに農家だけではなかなかやっていけない時代になっているんですね。鹿島開発で工場の建設ラッシュになったことで、現金収入を得られる仕事が生まれ、農業をせずにそういう仕事につく若者が多かったのでしょう。

物語の前半では、建設関係の仕事=新しい仕事、農業=古い仕事という図式でしたが、物語後半では建設ラッシュも終わり、ダンプは不景気であまり儲からない仕事になっています。

農村を襲った急激な変革の波といいますか、時代の流れの早さを感じますね。

ちなみに主人公は「仕事ができる」人間です。がんばってますし、腕はいいのです。ただし、口下手で頭もいいほうではないので、営業や経営には向いていません。途中で独立して元締めになりますが、失敗します。

いんね

中古のバスを事務所にしている仕事の元締めにタバコ(缶のピース)をすすめられた際に「いんね」といって仕事に行きます。やはり前半の主人公は仕事熱心なんです。

  • 茨城弁: いんね
  • 標準語: いらない

こんちは

昼間の挨拶は「こんちは」が基本です。近所のおばさん2人が家にやってくるシーンで初めて使われますが、その後もたびたび使われます。映画では「こんにちは」は使わず、茨城弁の「こんちは」で統一されていますね。素晴らしいです。

  • 茨城弁: こんちは
  • 標準語: こんにちは

あがらっせ

↑のおばさん2人が会いに来ると、主人公の母イネは「よく来たごと。あがらっせ」と出迎えます。

「あがらっせ」は「どうぞ(家に)あがって」という意味なのでしょうが、このあとお客は靴を脱いで家に上がるのではなく、縁側で談笑するので、「いらっしゃい」と訳したほうがいいのかもしれませんね。

なお、近所のおばさん2人の茨城弁はちょっとあまい気がします。

  • 茨城弁: あがらっせ
  • 標準語: どうぞ上がっていって、いらっしゃい

死ぐ

おばさんの1人が「どうせ、じきに死ぐだによ」と言います。「死ぬ」ではなく、たしかに「死ぐ」と言ったことを聞き逃す茨城王ではありません(笑)。ただし、うちのほうでは「死ぐ」は聞いたことがありません。

  • 茨城弁: 死ぐ
  • 標準語: 死ぬ

「俺」はもちろん標準語ですが、映画では女性(おばさんの1人)が使っていますね。

最初霞ヶ浦かと思ったのですが、そんなに広くない様子です。子ども2人だけで沼に行き、ボートに乗りますが…。

沼に落ちて溺れるシーンは見たくないシーンの一つですね。リアルに溺れてる感じが嫌です。

子どもをちゃんと見ていなかったという理由で、大雨の中、幸雄は妻の文江を殴る蹴るのDVです。

葬式

印象的なシーンの一つです。田んぼの中の農道を葬式の行列が通りますが、このときちょうど日食になっています。昼間なんだけど暗くて、なんともいえない雰囲気です。

たぬき

田舎の小さな居酒屋(小料理屋)の名前です。このシーンで初めて幸雄の弟:明彦(矢吹二郎)と、この後幸雄の愛人になる順子(秋吉久美子)が登場します。

店内はよく見るといかがわしいポスターが貼ってあって、やはりリアルです。

しょがあんめー

明彦のセリフ「順子、こんなクソ田舎にいてもしょがあんめー。東京へ…」

「しゃあんめ」ではなく「しょがあんめ」なので、まだ標準語の原型をとどめていますね。

明彦と順子は同級生で昔付き合っていたようです。

明彦は山沢家の次男で、頭がよく(性格も優しい)、現在、東京に住んでいますが、家が心配で帰省したようです。

  • 茨城弁: しょがあんめー
  • 標準語: しょうがないだろう

茅葺民家(文江の実家)

幸雄の妻:文江が実家の兄夫婦の元を訪れるシーンですが、この家が昔よく見られた茅葺民家なんです。私が子供の頃(1970年代)にはうちのほうにもたくさんありました。

にわとり

文江の実家の庭で兄嫁が鶏をしめています。これは女性にはきついかも。私はむしろ大好き、というと誤解されそうですが、昔うちのじいちゃんが鶏(ちゃぼ)を飼ってて、卵を産まなくなった鶏をしめていました。私は腹の中から卵が出てくるのが楽しみでワクワクしながら見ていた思い出があります。

でもむしろ今だからこそ見てほしいシーンでもありますね。肉というと、スーパーで切り身のパックという商品の状態をイメージされる方が多いと思いますが、そうなる前には生きていた鶏がいたわけですからね。今の日本では、肉になるプロセスをブラックボックス化してしまっているので、「命をいただく」という実感がわきにくいです。「見たら食べられなくなる」という人もいると思いますが、それでいいと思います。生きていくためにはそんなこと言ってられないのが本来の状態ですから。

鶏をしめている兄嫁のファッションもリアルですね。当時の農家のファッションです。

~だへ

文江の兄「嫁に行ったら、そこがおまえの家だへ

語尾の「~だっぺ」は頻出ですが、「~だへ」も出ました。鹿行地区でも使われているんですね。

役場の小林っつー男

順子の母と蒸発した男(名前しか出てこない)。

「役場の小林っつー男だっぺ。30ぐれーの。公務員のくせにあのやろ~」

公務員なのに駆け落ちって…(笑)

稲刈り

バインダーではなくコンバインで稲刈りしてますね。脇に米袋を積む昔のタイプです。

稲刈りのときの文江のファッションも日よけ用の帽子や黒い手差しなどリアルです。

おやしちまーべ

稲刈りのシーン。休憩後に仕事を再開するときのセリフです。

「さーてはじめっか。今日のうちにおやしちまーべ

茨城弁では「終わらせる」を「おわす」「おやす」と言いますね。

  • 茨城弁: おやしちまーべ
  • 標準語: 終わらせてしまおう

赤飯

長男の幸雄が不倫して家を出て行ってしまったので、東京に行っていた次男の明彦が戻ってきます。

そのシーンで母親は朝早く起きて赤飯を作っていたことが明かされます。歓迎のときは赤飯が基本だっぺ!

やはりこの母親は長男よりも次男のことがかわいいというのが見てとれますね。布団も新しいのを買っておいたそうで。

 ねこいらず

いつも家に遊びに来ていたおばさん2人のうち「すけえもん?のおばあちゃん」は、ねこいらずを飲んで自殺してしまったそうで。その名前から、ネズミ用の毒薬だと推測できますね。

自殺の理由は息子が嫁と出て行ってしまったから。以前、遊びに来たシーンでは息子とずっと口を聞いていないと話していたので、ずっと嫁姑関係がうまくいっていなかったのでしょう。

明彦の仕事っぷり

実家に戻ってきた明彦は幸雄と同じダンプの仕事を始めるが、最初は砂を積むのも下手。でも真面目で堅実なので、物語後半では自分で建設会社を持つまでに成長します。明彦はこの物語の登場人物で一番、というか、もしかしたら唯一まともな人間ですね。まあ他の登場人物も当時としては普通の人たちなのかもしれませんが、2012年の茨城県民から見ると「ちょっとどうなんだよ。ハァ~」と思える人ばかりで…

シャブ(覚せい剤)

ダンプ仲間が休憩中に「シャブまわしてくんねーか」。すると「東京まで3けえ行くには必要だっぺ」と。

「3けえ」の発音がいまいちわかりにくいですが、これは3回という意味でしょうね。

幸雄はやはり仕事ができる男で、他の仲間よりも仕事をたくさん回してもらっているようです。「この不景気によく仕事があること~」と他の仲間からうらまやしがられています。ということは、この時点でダンプの仕事は不景気になっているということですね。幸雄が順子と暮らし始めてから結構時間が経っているんでしょう。

なお、幸雄がクスリをいつ始めたかの描写は出てきませんが、なぜクスリを始めたか、理由は後ほど蟹江敬三とのやりとりで語られます。

しょあんめー

前述のシーンのあと、「おらも背広着て営業でもやっかな」とふざける仲間に対し、幸雄が「おめーらも俺も口下手でしょあんめー。やりようねーべ」と言い返します。

明彦は「しょがあんめー」でしたが、幸雄は「しょあんめー」。東京に出ていた明彦よりもずっと地元にいる幸雄のほうが訛っているという見方は深読みのし過ぎでしょうかね(笑)。その後、部長の接待の場面では、明彦も「しょあんめー」を使っています。

  • 茨城弁: しょあんめー
  • 標準語: しょうがないだろう

 大尽(大臣)

「お金持ち」という意味で使われている言葉です。うちのほうでは「でえじんどん(大尽殿)」という言い方もありますね。

大尽と呼ばれているのは仕事仲間の蟹江敬三です。いまいち仕事はできなそうでおっちょこちょいな性格なんですが、お金持ちです。その理由は鹿島開発で自分の土地が売れたから。いわゆる「土地成金」ですね。これは今でもありますね。リアルだぁ…

千葉 栄町

大臣が千葉の栄町に行こうと誘われますが、栄町はいわゆる歓楽街ですね。

茨城だと土浦の桜町が有名だと思いますが、舞台が鹿島エリアということで方面的に千葉なんですかね?

長いんだつけなー

これは何が長いかはちょっと説明できません(笑)。「だつけ」は「~なんだって」という意味ですね。他に茨城では「だちけ」「だしけ」なども使います。

  • 茨城弁: 長いんだつけなー
  • 標準語: 長いんだってねー

大尽の豪邸

大尽(蟹江敬三)の家は瓦屋根の豪華な屋敷で、典型的な茨城の金持ちの家です。幸雄いわく「このあいだまで畳もへえってねー家に住んでたくせによー」ということで、相当貧乏だったみたいですが、鹿島開発で土地が売れて一気に金持ちになりました。でもこの家を建てて、ダンプを買ったので、移転で得た6000万がすっからかんになったそうです。後から税金が600万もきて、バカバカしくて百姓なんかやってられないとも。

蟹江敬三の家を自慢するシーンでは「この梁(はり)一本で30万」だそうで、いかにもネイティブ・イバラキアンが自慢しそうなポイントで笑いました(笑)。

シャブ2

このあと蟹江敬三は幸雄からシャブを打ってもらいます。

蟹江敬三「これやっとくたびれねーんだつけが」「ねねーではたらけんだつけが

幸雄「んだな」「酒も飲みたぐなんなぐなる

ここでも「だつけ」が出ましたね。

そして、さらっと幸雄の口からシャブを始めた理由が語られます。

幸雄「おらぁ酒飲みでやりようねえべ。んで始めたんだゎ

幸雄は大酒飲みでどうしようもないので使い始めたそうです。それだけでなく、東京に3往復するほどハードなダンプの仕事を寝ずにやるためというのも大きな理由の一つでしょうね。

そして、蟹江敬三のコメントも印象的です。

蟹江「みんなやってんだっぺ?」「でーじぶだよな?ゆきちゃん」

偕楽園レイクランド

茨城県民的には超重要シーン!!登場する遊園地はてっきり県外の施設だと思っていたのですが、なんと水戸の千波湖にあった「偕楽園レイクランド」であることがわかりました!現在「桜田門外の変」のロケセットになっている場所です。

実は私、この映画ではじめて偕楽園レイクランドの存在を知りました。かみね遊園地っぽい雰囲気だとは思いましたが、まさか水戸にあった遊園地だなんて・・・。もうこのシーンを見るためだけに茨城県民はこの映画を観てもいいでしょう…と言ったらいいすぎかな(笑)。少なくとも40代以上の県央地区出身者にとっては必見でしょうね。

園内でかかっている音楽がまたいいです。郷ひろみ&樹木希林の「林檎殺人事件」ですよ。♪フリフリフリフリ フリフーリ

ちなみに偕楽園レイクランドは1968年開園で、1985年に閉園しています。ということは、この映画は少なくとも1968年以降を舞台にしているということになりますね。

伊勢甚の紙袋

レイクランドの園内の丘のような芝生にたたずんでいるシーンでは千波湖も見えます。

でもそれ以上に茨城県民敵に重要なのは幸雄と順子の間に置かれている紙袋。

なんと!伊勢甚百貨店の紙袋ですよ~。青いヤツ。このデザイン、私も記憶ありますよ。なつかしすぎる!

伊勢丹じゃないかんね、伊勢甚だかんね(笑)。

このへんは茨城県民的重要シーンが続きます(笑)。

うめえもん食いにいぐべ」「一番たけーもん食いにいくど~

一番高いものって何かな?レストランでステーキとか食べるのかな?と思ったら、人気(ひとけ)のない海へ。もしかしたら大洗ですかね?

曇り空の中、砂浜にシートを敷いて黙々と食べているのは、ケンタッキーフライドチキン?

いや、蟹だ!ゆで蟹だ(笑)。・・・大洗あたりでは普通にゆで蟹を売っていたんですかね?

部長の接待

幸雄は弟の明彦とダンプの仕事をまわしてくれる部長(標準語)を接待します。接待の席で幸雄はいっさい酒を飲まず、水をガブガブ飲んでいまし。もうだいぶヤク中になっているんでしょうね。

この接待シーンの幸雄の茨城弁は素晴らしいです。

「鹿島の工場ラッシュもストップした」「百姓だけで食えない俺らが仕事をしてられんのも…」など、当時の状況がわかるセリフも出てきますね。

幸雄は部長から仕事を受ける元締めになり、ダンプの運転手を使う立場になるのですが、これがうまくいきません。運転手としての腕はいいのですが、経営者としては全然ダメなんです。

部長にダンプ30台分の砂を入れるように頼まれていたのに、2日続けて5台しか入れられないんですね。運転手連中に連絡が取れない、みんな遊びまわってて…などと、言い訳します。

部長に「砂を運ぶだけでなく、経営者のつもりにならないと…」「言葉づかいにも気をつけないと…」などと諭されると不機嫌になり、最後にお金をせびられると逆ギレして部長を殴る蹴るの暴行です。ダメだこりぁ…

ちゃぶ台返し

このへんからもう幸雄の被害妄想は止まりません。時間的にもちょうど半分を超えたあたりでしょうか。後半はほんとに救いようがなくて、つらいです。

食事のシーンで、幸雄が「たくあん」がマズイという内容のことをいうと、順子が「あたしが料理下手なの知ってっぺよー」と絶妙な茨城弁でキレるのですが、それにキレ返して、ちゃぶ台をひっくりかえします。

このあと順子に出てけ!と命じ、順子が出ていくと、家が「町営アパート」っぽい建物であることがわかります。

 

・・・と、ここからも物語は続いていくのですが、書いていて途中で力尽きました(苦笑)。

残りは、見てのお楽しみということで。すまん、したっけ!

あとがき

そもそもこの映画を知ったのは去年(2012年)のことなのです。

茨城が舞台の映画といえば「下妻物語」を筆頭に、どんな映画があるかは一通り知っていたつもりでした。

しかし、それは茨城王を開設した2000年以降のことで、昭和の映画はほぼノーマークでした。

それが、去年(2012年)の夏、映画『天心』の松村監督とお話する機会がありまして、監督がおっしゃるには茨城を舞台にした素晴らしい作品があると。根津甚八さんが主演で、共演者も秋吉久美子さんなど錚々たる方たち。しかも、みんな茨城弁をしゃべっているというではありませんか!

ただ、そのときはとりあえず頭の片隅に記憶しておいて、機会があったら観てみようという感覚でした。

そ の後、気持ちが大きく変わったのは、ツイッターを通じて、この映画の上映会と柳町光男監督の講演があると知ったときです。水戸で開催の「いばらきフィルム コミッション」のイベントでした。すでに仕事が入っていたので観に行けませんでしたが、これは松村監督がおっしゃっていた映画で、しかも、ちゃんと調べて みたらとても高い評価を得ている作品だということがわかりました。

その一方で破滅的なストーリーを知り、個人的に好んで見たいジャンルでは ないこともわかってしまい、心の葛藤もなきにしもあらずでしたが、やはり茨城県民として、それ以上に茨城王(イバラキング)としては「避けて通れない道」 であることは明白でした。これはもう見るしかありません。

「時は来た!」はプロレスラー橋本真也の残した名言ですが、このときの私もまさにこの心境でした。

さっそくDVDを探しにレンタル屋を回りましたが、全く見つからず、ツタヤの検索で借りに行ける距離の店舗を探してみましたが、どこにも在庫はありませんでした。

実は『さらば愛しき大地』はすでに廃版となっていたのです!

もうこうなると、逆に見ずにはいられません。絶対見ると決めました。私はそういう性格です(笑)。

そして、ネットレンタルに行き着きました。在庫があることを確認して会員登録!無事、DVDが自宅に届きました。

見たくても見られない方が多いと思いますが、そんなときはネットレンタルがオススメです!…って、最後はレンタル屋の宣伝で終わっちゃいましたね(笑)。


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